1:casillas ★@\(^o^)/ 投稿日:2015/11/04(水) 18:09:45.18
「祭りだ、祭りだ、“キタサンまつり”~」
秋晴れの10月25日。京都競馬場に演歌の御大サブちゃんこと北島三郎(79)の歌声が響いた。
この日の「菊花賞」(G1芝3千メートル)で、サブちゃん所有のキタサンブラック(牡3歳)が優勝し、表彰式で持ち歌「まつり」を熱唱。「今までで一番感動した」と言い、目には涙が光っていた。大勢の観客がレース後に残り、会場には祝福ムードが広がっていた。
菊花賞の優勝賞金は1億1200万円で、付加賞は約3200万円。一般的に馬主は調教師に10%、騎手と厩務関係者に10%の成功報酬を支払う。サブちゃんは3分のレースで1億円以上稼いだことになる。
でも実はこの馬、本命視されていなかった。血統的に長距離走に不向きで、「競馬の専門家ほど買いにくい馬」だったのだ。人気は18頭中5番目。競馬の格付けで最上位のG1レースは年22回ある。3歳馬が出走する3冠レースは皐月賞(2千メートル)、ダービー(2400メートル)、そして今回の菊花賞。キタサンブラックは皐月賞とダービーに出走し、それぞれ3着、14着で人気は落ちていた。
だが、サブちゃんは愛馬の力と自身の目を信じた。記者会見ではこう言った。「馬は子どものようなもので、『適性なし』とか言われるとムカ~ッとした。調子はよかったし、心臓も強い。二枚目で“スターの素質”があったんですよ」
サブちゃんは馬主になって53年目。今まで所有した馬は中央競馬・地方競馬合わせて500頭以上。G1は12回目の挑戦だった。 しかも、関係者によれば、キタサンブラックは何千万、何億円とするような高価な馬でなく、「数百万円程度」で買い付けた“並”の馬だという。まさに大出世だったのだ。朝日新聞のベテラン競馬担当・有吉正徳記者は、こう話す。
「お金に物を言わせたのでなく、純粋に惚れた馬が勝った。競馬ファンもそこに共感できたのでしょう」
元大リーガーの佐々木主浩、建築家の小林祥晃らG1馬を所有する有名人は少なくない。歌手では、前川清が愛馬コイウタで2007年にG1を制している
「芸能人の馬主は多くはありませんが、勝つと目立ちますね」(JRA広報)
その言葉どおり、キタサンブラックの注目度は急上昇。ファン投票で優先出走権を得る年末の有馬記念に出る可能性も出てきた。一昨年、NHKの紅白を“卒業”したサブちゃんだが、年末は馬の祭典で再び「まつり」が聞けるかも?
(本誌・藤村かおり、牧野めぐみ、松岡かすみ、西岡千史/今西憲之、黒田朔、桐島瞬)
※週刊朝日 2015年11月13日号
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151104-00000011-sasahi-ent